「人形寺」

京都の雛祭りなら、やはり宝鏡寺（寺の内堀川東入ル）をあげなければならないでしょう。宝鏡寺は別名「人形寺」。雅びなたたずまいを見せる尼寺です。
ここは、光格天皇遺愛の人形をはじめ、御所より賜った人形を数多く保存していることで有名。春と秋には人形展が開催され、所蔵する人形を鑑賞することができます。
初夏には伊勢なでしこが咲くその境内の一角に立てられたのが、御所人形を彫りだした人形塚。これは私たちが親しんだ人形たちを弔うため、昭和34年に建てられたもので、毎年10月14日人形供養が行われています。

「人形よ　誰がつくりしか　 誰に愛されしか　知らねども　 愛された事実こそ　 汝が成仏の誠なれ」

これは人形塚に寄せられた作家武者小路実篤の碑文。この自筆の書が橋本人形店に残されています。